こんにちは!
福岡女子大学4年の上野 瑠音です。
2018年3月にスタディーツアー(以下スタツア)に参加し、支援しているバングラデシュの子どもたちに会ってきました。
このブログを読んで、私たちの活動やバングラデシュについて少しでも知っていただきたいです。
私が今回スタツアに参加したのはRoom to Read のバングラデシュ女子教育プログラムについてもっと知りたいと思ったからです。
恥ずかしながら、その支援内容について十分な理解をしないまま活動していました。そのため、私たちの寄付がどう使われているのか、バングラデシュの女の子たちがどんな子なのか、自分の目で確かめたいと思いました。
約1日かけてバングラデシュに着いた時、ある不安を抱えていました。
というのも、時間の都合で出国前にビザを取得できなかったため、現地の空港で発行しなければいけなかったのです。
現地でのビザ発行は初めての経験で海外も慣れてないため、飛行機の中でもそのことばかり心配していましたが…
「日本人なの?ならビザ発行のお金要らないよ!」
シャージャラル国際空港のビザカウンターであっさり言われて驚きを隠せませんでした!
(日本が長い歴史の中で支援をしてきたことに対する親日意識につながっているようです。)
空港から街に出ると目に入るのは溢れんばかりの人、車!
映像で見て知ってはいましたが、実際に見るとやはり衝撃的でした。
車と車の間を縫うように走るタクシー、横断歩道も信号機もない道路を横断する歩行者、見る限り事故も喧嘩もない。ルールが敷かれなくてもこれだけ上手くやっていけることが不思議でした。
そしてメインである学校訪問!Dogair Rustam Ali High School を訪れました。
多くの女子生徒、先生、地域の方々が迎えてくれました。
子どもたちはみんな元気いっぱい!英語も勉強しているためたくさん話しかけてくれて、カメラを持つと四方から集まって来てくれてぎゅうぎゅうになって撮りました。
また、生徒へのインタビューでは私たちのことにも興味を持ってくれて「大学で何を勉強しているのか」「恋人はいますか」(まさか聞かれるとは思っていなかったので緊張しました!)などたくさん質問してくれました。
この学校訪問を通して、改めて気づいたことがあったので、以下に少しまとめます。
バングラデシュには学校に通うことが困難な生徒がいます。
たとえば、家から学校が遠い、児童結婚や労働などが問題として挙げられます。そのためRoom to Read の女子教育プログラムでは、物資支援や遠方用の通学ボートなど様々なサポートをしています。
また、学校にソーシャルモビライザーが就いて生徒の学校生活や家庭の相談に乗っています。生徒が児童結婚や労働によって学校に行けない場合、親を説得しに行くこともあります。
また、Room to Read が支援する学校にはスタッフが活動する教室もあり、そこでは生徒が女性の権利や児童結婚について学ぶ機会を設けています。
そのような説得や教育によって価値観を変え、子どもの教育の理解を深めることができます。
大人だけでなく子どもも理解することで教育の重要性について説得力が増したり次の世代への教育に繋がったりします。双方の教育への価値観を変えてくれるのも、教育なのです。
私たちが訪問した3月8日は国際女性デーだったため、学校で式典が開かれました。その中で子どもたちが歌や踊りを披露してくれて、小さなスピーチ大会も催されました。
みんな堂々としていましたが、以前は人前で発表することもできない子が多かったと聞きました。
しかし、Room to Read の支援を通して意見を言う、聞く習慣を身につけることで変わったそうです。
①で書いた教室の中には「お互いに尊敬しましょう」「自分の意見を言いましょう」「うるさくしない」などのルールが書いてありました。
日本では当たり前の光景かもしれませんが、このような取り組みによって知識だけでなく表現力や協調性も身につけることができます。学校に行かず嫁いだり働いたりしていたら得ることのない経験かもしれません。教育や学校の重要性を改めて感じました。
教育を受けることで女の子たちが将来、自分の子どもにも教育を受けさせやすくなる。読み書きができると医薬品や食品を正しく扱うことができるため、母子の生命を自分たちで守ることができる。女子教育には様々な将来性があると言われています。
しかし、その一方で私は以前、女子教育支援について少しだけ懸念がありました。それは、女尊男卑だと言われないかということ。
しかしこのスタツアを通して決して女尊男卑に基づいているわけではないと思いました。
私たちSTUDY FOR TWOの理念は「勉強したいと願うすべての子どもたちが勉強できる世界に」です。
上記の観点からも女子教育は理念実現に適していると考えられます。
しかし、それ以外にもこの支援が大切だという学びをスタツアで得ました。
当たり前ですよね、でも当たり前すぎて私はその価値を認識していませんでした。
読み書きや知識を得るために教育は大切だとしか考えていませんでした。しかし、それだけでなく、教育を受けることで判断力や思考力など、生きる上で必要な能力が身につきます。性の格差を訴えることができます。
「昔からそうだから」と諦めるのではなく自分の望む生き方を選ぶこともできるでしょう。人が人らしく生きるためにも教育は必要だと、現地の人々に会うことで学べました。
ソーシャルモビライザーの方は「女性はあらゆる面で地位が低い。それをある程度のところまで上げていきたい」と話していました。
女子教育は女性への依怙贔屓ではありません。女性の権利を守るための手段のひとつです。
もし、女の子だからという理由で教育を受けるチャンスを与えられなかったら?彼女たちが私たちの理念にある「すべての子どもたち」に含まれるためのアクションが今回の寄付なのです。
バングラデシュで出会った子どもたちが大人になったとき、「女の子には教育は必要ない」という考え方に縛られる人々が少しでも減りますように…。
私は1年生の頃からSTUDY FOR TWOで活動してきました。
もちろん国際協力に関心があって始めましたが、今でも続けているのは仲間と過ごす時間が楽しいからです。大学で販売や回収イベントでの「引き取ってくれてありがとう」「安く買えて嬉しい!」の声が嬉しいからです。
そんな風に楽しいと感じる活動の先に支えている子どもたちの人生があることは少し誇らしいです。
自己満足かもしれません。しかし、活動に対する姿勢がなんであれ、私たちには大きな責任が伴います。
教育には、そして私たちの支援には大きな可能性があります。
自己満足で無責任な支援にならないために、支援先の人たちとの繋がりを持ち続けること、そして成長し続ける団体にしていくことが大切だと改めて思いました。
長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。
私たちの活動はすぐに効果があるものではありませんし、寄付金額も微々たるものかもしれません。
私たちの小さな成果が積み重なりいつか大きな変化の一助になれればと思います。
これからも、STUDY FOR TWOの活動にご協力いただければ幸いです。